「クラスの中だけで動く、LINEみたいなチャットがあったら、SNSの練習が教室でできるのに」。この記事は、そんな教材を先生の手でつくるためのアイデアの紹介です。元は、北九州の知り合いの先生の実践。いいなと思ったので、作り方をプロンプトの形にして、おすそ分けします。
SNSのやりとりで起きるすれちがいは、たいてい学校の外、放課後のスマホの中で起きます。でも、本物のSNSを授業で使って練習するわけにはいきません。それで情報モラルの授業は「動画を見て、話し合う」が中心になりがちで、子どもが実際に指を動かして、失敗してみるところまではなかなかいけません。
スタンプを何十連発もされたらどんな気持ちになるか。知らないアカウントに話しかけられたら、何と返すか。これは、読んで知るより、一度体験したほうが早い学びだと思っています。
だから「教室の中だけで動く、閉じたチャット」です。失敗しても大丈夫な場所で、先に失敗しておく練習です。
正体は、Googleスプレッドシートにつないだ GAS(Google Apps Script)のWebアプリ1本です。子どもはブラウザでチャット風の画面を開くだけ。
学校のGoogleアカウントでそのまま使えて、追加費用は0円。無料のEducation Fundamentalsの範囲で動きます。
Geminiの出番は先生側だけにしています。授業シナリオづくり、「知らない人」役のセリフ案、あとで出てくるふりかえりの分析。
子どもにGeminiを触らせない設計にしておくと、自治体ごとのAI利用の設定に左右されません。
楽しい話題で盛り上がったところで、スタンプが何十連発。うれしい? うるさい? 同じ画面を見ていても感じ方がちがうことを、その場で話し合います。
チャットに「???」というアカウントが現れて、少しずつ聞いてきます。「きみの学校、どこ?」。正体は先生です。どこまで答えていいか、どう断るか、誰に相談するかを、教室で練習します。
「いいよ」の一言が、OKにも「もういい」にも読めます。短い文字のやりとりで誤解が生まれる体験をしてから、ふりかえります。
「ツールを作るのはハードルが高い」という方へ。この授業の核は「チャットで起きることを、教室の中で再現して話し合う」なので、道具なしでも始められます。
大型テレビに Classroom のコメント欄やスライドを映して、先生が「???」役を演じる。紙の吹き出しカードで「これ、送っていい?」を判断させる。それだけでも1時間の授業になります。
まずはそこから。「もっと本物らしくやりたい」となったら、次のプロンプトの出番です。
私はこういう道具を作るとき、AIに作らせるためのプロンプトを残しておくことにしています。よかったら使ってください。Geminiに貼って動きます(ClaudeやChatGPTでも大丈夫です)。
あなたは、学校のGoogle Workspace(無料のEducation Fundamentals)で動く教材ツールを作る、GASの専門家です。 小学校のデジタル・シティズンシップの授業で使う「教室の中だけで動くチャット教材」を作ってください。 # 作りたいもの - Googleスプレッドシートにつないだ、GASのWebアプリ(doGet + index.html) - 見た目はスマホのチャットアプリ風(吹き出し・自分は右・他の人は左・下に入力欄とスタンプボタン) - 学校のChromebookやタブレットのブラウザで使う。対象は[小学4年生]の[30]人学級 # しくみの条件(安全のためのきまり。ここは変えない) 1. シートは2枚。「名簿」(A:メールアドレス B:表示名 C:役割 child/teacher)と「ログ」(A:日時 B:メールアドレス C:表示名 D:本文 E:種別 msg/stamp/system) 2. Session.getActiveUser().getEmail() を名簿と照合し、名簿にない人には「参加できません」画面を出す 3. 表示名は名簿から自動で表示する。子どもが自分では変えられないようにする(なりすまし防止) 4. 発言・スタンプはすべて「ログ」シートに追記する。削除機能は作らない(授業のふりかえりに使うため) 5. 子どもの画面:メッセージ送信/スタンプ(絵文字5種)/5秒ごとの自動更新(google.script.runで取得) 6. 役割teacherだけの機能:①表示名を自由に変えて投稿できる(「???」など、授業シナリオの登場人物を演じるため)②画面の表示を「授業開始前」に切り替えるスイッチ(ログは消さない) 7. 外部ライブラリ・外部への通信は使わない。Workspaceの中だけで完結させる # 出力形式 - Code.gs と index.html を分けて、コピーできるコードブロックで出す - 続けて「設置手順」を、GASを初めて使う先生向けに番号つきで(シート作成→Apps Script→デプロイ→「次のユーザーとして実行:自分」「アクセスできるユーザー:[学校のドメイン]内の全員」の設定まで) - 最後に「授業前チェックリスト」を5項目で
あなたは小学校の授業づくりを手伝う、デジタル・シティズンシップにくわしい先生役です。 教室の中だけで動くチャット教材を使って、[小学4年生]に「知らない人がグループに入ってきたとき、どうするか」を考えさせる授業を作ります。 # 手伝ってほしいこと 1. 45分の授業の流れ(導入→チャット体験→話し合い→ふりかえり) 2. 私(先生)が「???」という知らない人を演じるときのセリフ案を、段階つきで - 最初はあいさつ → 少しずつ「学校名」「習いごと」「写真」を聞き出そうとする流れ - 子どもがつい答えてしまいそうな、自然な聞き方にする 3. 体験のあとに子どもに出す「ふりかえりの問い」を3つ 4. 「教えていいこと・いけないこと」を子どもの言葉でまとめる板書案 # 条件 - 怖がらせて終わらせない。「断り方」と「相談のしかた」の練習まで入れる - 学級の実態:[おだやかだが、ノリで反応しがち]
これは、授業で使った教室内チャットの記録です。名前とメールアドレスの列は消してあります。 このやりとりを読んで、次の3つを行番号つきで指摘してください。 ①言葉が強くなった場面 ②誤解が生まれた場面 ③よい断り方・よい声かけができた場面 最後に、子どもに見せる用の「今日のやりとりから学べること」を3つ、やさしい言葉で作ってください。 [ここに、名前列を消したログを貼る]
冒頭に書いたとおり、この考え方は、北九州の知り合いの先生が実践されていたことを元にしています。私のゼロからのアイデアではありません。
その先生の実践を知ったとき、いちばん心に残ったのは、道具そのものより「教室に必要な道具を、先生が自分の手でつくって、目の前の子どもに合わせて使っている」ことでした。ああ、必要な道具は自分たちでつくるんだな、と改めて感じました。
いまはAIがあるので、その入り口はずいぶん低くなっています。この記事のプロンプトが、その入り口になればうれしいです。