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授業プランナーの作り方
── AIに何をどう頼んだか

2026年8月18日 / 実践アイデア
机に広げた暦の紙に、空の付箋が数枚と鉛筆が置いてある水彩画

学期のはじめに一度組んでおくと、「まだ組んでいない」が頭から消えます。 その道具を Claude Code や Codex にどう頼んで作ったか、使ったプロンプトを全部のせました。 テンプレートと動くサンプルは無料で公開しています。

3行でいうと
  1. 公開しているテンプレートを手元に落として、話しことばで自分の学級版に書き換えていく
  2. 直すのはカレンダー・単元・見取りの3つだけ。あとは作り直しの命令を1回
  3. この記事のプロンプトはそのままコピーして使えます

先に1つだけ。教科書会社の年間指導計画は、自分の授業準備のためだけに使ってください。 配り直したり、まとめてどこかに上げたりはしないでください。理由は記事の中ほどに書いています。

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早めに組んでおくと、何が変わるのか

2学期の時間割を組むのは、毎年やっているのに毎年しんどい仕事です。行事をよけて、 年間指導計画とにらめっこして、国語は週にこのくらい、算数はこのくらい、と埋めていく。

しんどさの正体は、手を動かす作業ではないと思っています。決めなければいけないことの数のほうです。 今日の3時間目は何からやろう。来週の時間割はどう組もう。この単元、あと何時間残っていたか。 ひとつひとつは小さいのに、1日に何十回もあって、朝から少しずつ削られていきます。

たたき台が先にあると、この判断が「決める」から「直す」に変わります。 ゼロから考えるのと、目の前の案を見て「ここは違うな」と直すのとでは、必要な力がずいぶん違う。

たたき台がある場合とない場合を左右に並べた図解。ない場合はゼロから決める・毎日ぶんを毎日考える・「まだ組んでいない」が残る。ある場合は目の前の案を直す・学期のはじめに一度だけ組む・今日のことに時間を使える
判断の数そのものは減りません。1回あたりの重さが変わります。

それに、頭の片すみで「早く来週の分も組まないと」と思い続けているのが、地味にきついんです。 思い出しては、目の前のことに追われて忘れて、夜にまた「まだ終わっていない」が戻ってくる。

先行きが見えないと不安になりますが、見通しが立つと少し気が楽になります。 学期のはじめに一度組んでおくのは、そのためだと思っています。

できあがるもの

ブラウザで開く画面が3枚です。特別なアプリは要りません。

日案の画面。日付を選ぶと1校時から6校時までのカードが並び、国語・算数・理科・社会には本時の題・内容・前後の時間・見取りがついている
日案。日付を選ぶと、その日の全校時が出ます。国語・算数・理科・社会には、本時の内容と、 前の時間・次の時間、それに「今日は何を見取るか」がついています。ねらい・準備物・ふりかえりはその場で書き込めます。 ⌘P でその日だけを日案として刷れます。
週案の画面。1週間の時間割が表になっていて、各コマに教科名と単元名が入っている
週案。1週間がA4横きっかり1枚。教科別の時数集計つき。
単元ガイドの画面。教科のタブと、単元名が並んだ一覧
単元ガイド。単元のゴール・流れ・教材研究メモ。
画面の上で書き換えられます。 黄色っぽくなるところは、そのままブラウザで書き直せます。打った時点でその端末に残るので、 「今日のねらいだけ書いておく」「今週のメモを1行足す」がその場でできます。 作り直しても残したいときは、画面の「書き出し」を押して、できたファイルを取り込むと焼き込まれます。

用意するもの

プログラミングの知識は要りません。私も書いていません。全部、話しことばで頼みました。

ゼロから頼むより、土台を直すほうが早い

「授業プランナーを作って」とだけ頼むと、毎回ちがうものが出てきます。 出てきたものを見てから直しはじめることになるので、かえって遠回りでした。

そこで、動くものをテンプレートとして公開しています。 中身は全部架空のサンプルです。これを手元に落として、自分の学校のものに書き換えていくのがいちばん早いです。

① まず手元に落とす(ターミナルに貼る)
git clone https://github.com/A-TOZAK/jugyo-planner.git
cd jugyo-planner
./build.sh

これで docs/ に3枚のHTMLができます。ダブルクリックで開いて、動くことを確かめてから先へ進みます。

作りの全体像

書き換える場所は3つだけです。カレンダー(学校の時間割と行事)、単元(順番と時数)、見取り(記録に残す回)。 この3つを直して、作り直しの命令を1回打つと、3枚の画面が全部作りかえられます。

左にカレンダー・単元・見取りの3つのファイル、中央にbuild.sh、右に日案・週案・単元ガイドの3画面が並ぶ流れの図解
どれを直しても、3つの画面が全部作り直されます。手で3か所に書き写す必要はありません。

実際に使ったプロンプト

下の枠はそのままコピーして使えます。Claude Code か Codex を、落としてきたフォルダで開いてから貼ってください。

1. はじめの一言

最初の1本だけは長めです。ここで「何を聞けばいいか」をAIの側に持たせておくと、 あとは聞かれたことに答えるだけで組み上がります。

はじめの一言(これを最初に貼る)
このリポジトリは「学期分の授業の見通しを作る道具」です。
まず README.md と data/ の3ファイルを読んでください。
そのうえで、私の学級版に作り替えるのを手伝ってほしいです。

まず data/calendar_data.py から始めます。私に順番に質問してください。
知りたいはずのことは、たぶんこのあたりです。

- 学校名・学年組・いつからいつまでか
- 何曜日が何時間授業か
- 固定で決まっているコマ(体育・専科・図書など、曜日と校時)
- 教科ごとの週の時数
- 学期中の行事(始業式・運動会・遠足・研究授業・委員会・短縮日程・終業式など)
- 研究授業があるなら、何月何日の何校時に、どの単元の何時間目を持ってきたいか

行事は思い出した順に喋るので、日付と曜日が合わないところは指摘してください。
祝日はそちらで調べて入れてください。

カレンダーができたら ./build.sh を実行して、docs/index.html を開いて見せてください。
そこまでできたら、次は単元(data/units_data.py)に進みます。

行事は思い出した順に喋って大丈夫です。「10月の第3週あたりに運動会」でも、日付と曜日が合わないところは向こうが聞き返してきます。祝日は調べて入れてくれます。

2. 単元を割り付ける

カレンダーができたら、次は単元です。教科書会社の年間指導計画をPDFかスクリーンショットで渡します。

単元を組むとき
教科書会社の年間指導計画を渡します(PDFかスクリーンショット)。
これをもとに、data/units_data.py の SEQ を書き換えてください。

条件:
- 単元の順番と時数を、この資料のとおりに
- 2学期に入る範囲だけでいい
- 割り付けたあと、学期内に入りきらない時数があれば教えてください

DETAIL(単元カードの中身)は、まず主要な単元だけでいいです。
ゴールは「この単元が終わったとき、子どもが何をできればいいか」を
子どもの言葉で1文。あとは1時間ずつの流れと、つまずきそうなところ。

「入りきらない時数があれば教えてください」の一行が効きます。黙って詰め込まれるより、あと2時間入りませんと言われたほうが、どこを削るか自分で決められます。

ここだけは、念のため。年間指導計画の資料は、自分の授業準備のためだけに使ってください。 各社が先生の授業準備用に出しているものです。渡すのは自分の手元までにして、 中身を書き写してリポジトリに置く・学年や校内で配る・そのままネットに上げる、はしないでください。 使ってよい範囲は配布元のページに書いてあるので、一度見ておくと安心です。 AIに読ませるときも同じで、学校によっては外部サービスに資料を上げるときの決まりがあります。 勤務先の決まりを先に確かめておくと、あとで困りません。

できあがった自分の学級版も、同じ理由で外には出しません。手元で使うぶんには何の問題もありません。

3. 研究授業の日から逆算する

研究授業がある教科は、先に「その日にこの時間を当てたい」を決めておけます。 書いておくと、逆算して単元の開始を後ろにずらし、前の単元に予備の時間を入れてくれます。

研究授業から逆算する
12月4日の5校時に、理科「物の体積と温度」の6時間目(本時)を持ってきたいです。
data/units_data.py の ANCHOR にそう書いて、逆算して割り付け直してください。

- 単元の開始を後ろにずらして合わせてください
- 空いた分は、前の単元に予備・ふく習として足してください
- ぴったり合ったかどうか、ずれているなら何時間ずれているかを教えてください

日程が動いたときは「研究授業が12/11にずれた。逆算し直して」と言えばやり直してくれます。

4. 見取りを絞る

ここは道具の話というより、考え方の話です。毎時間3観点をつける形にはしていません。 記録に残す回は単元で2〜4回に絞っています。

教科書会社の年間指導計画にも【重点】【記録】という欄があって、記録に残す回は最初から絞られています。 全部つけようとすると、記録を作ることが目的になって、肝心の「次の1時間に生かす」が消えてしまうので。

見取りを決めるとき
data/assess_data.py を、私の単元に合わせて書き換えてください。

条件:
- 記録に残す回は、単元で2〜4回に絞ること
- 毎時間3観点をつけない
- それ以外の時間は「次の1時間に生かす見取り」として扱う
- 見るものは、子どもの姿の言葉で書く(「〜できているか」)

5. あとから直す

授業は水物です。子どもの反応で進みは変わりますし、思っていたより進んでいないこともよくあります。 急に休むことも、出張が入ることもある。だから「一度作って終わり」ではなく、直しやすい形で持っておくことにしました。

直すときは、こう言うだけです。

直すときの言い方(そのつど1行)
10/26は5時間授業になった。作り直して

面積が1時間押した。11時間にして後ろを送って

11/9の3・4時間目、出張で自習にして

研究授業が12/11にずれた。逆算し直して

この4行はまとめて貼るものではなく、そのつど1行ずつ言うものです。

毎時間ぶんのプロンプトは、道具の側に置いておく

できあがった画面の各コマに、AIに投げるための文章が4本ついています。 単元名も、全何時間の何時間目かも、前後の時間も、すでに埋まった状態です。 コピーして貼るだけで、書き換えるのは「今の学級の様子」の1〜3行だけ。

  1. 今日の様子に合わせて、ブリーフィングを作り直す(発問3つ・板書の骨・手立て)
  2. 5分の確認問題をつくる(4問+解答+つまずきの見立て)
  3. この1時間の見取りを決める
  4. 授業のあと、子どもの振り返りを読んで明日の一手を出す

4本目だけは子どもの書いたものを扱います。ここで先に決めておくことが1つあります。 どのAIを使うかです。教育委員会などから承認されたGeminiなどを使ってください。 承認されていないAIを個人のアカウントで使うこと(シャドーAI)はやめましょう。 何が認められているかは自治体のセキュリティポリシーに書いてあります。 学校で決まっていないことがあれば、管理職や情報担当の先生に一度聞いてから使うのが確実です。

そのうえで、この4本目には 氏名を入れずにA児・B児として扱うという条件を、あらかじめ文章の中に書き込んであります。 毎回思い出さなくていいように、道具の側に埋めておく作りにしました。

毎日の使い方

学期のはじめに学期分を組み、毎週は週案を刷り、毎日はその日を開いてずれた分だけ直す、という3点の時間の流れの図解
組むのは一度きり。あとは、ずれた分を直していくだけです。

気をつけていること

さわってみてください

実際に動くものを、そのまま見られる形にしています。日付を押して、コマを開いて、 プロンプトをコピーして、画面の文字を書き換えるところまで全部できます。会員登録はありません。

サンプルを見る ↗ テンプレートと作り方 ↗

中身は自由に使っていただいて、自由に作り替えていただいて大丈夫です(MITライセンス)。

この道具を作ったときの話は、こちらに書いています → 学期分の見通しを、AIと一緒に組んでみた

詰まったら

「うちの学校の時間割の組み方だとどうなるか」「学年でそろえたい」「自治体で試したい」といった相談があれば、 どうぞ。試してみてどうだったかを教えてもらえるのも、うれしいです。

先生の相談窓口へ

組んでしまえば、あとは直すだけになります。 「まだ組んでいない」が頭から消えるだけでも、けっこう違うな、というのが使ってみての実感です。

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