Iizuka Flood Archives — Social Studies

なぜ飯塚は、水につかりやすいのだろう?

飯塚のまちは、むかしから何度も水害すいがいにあってきました。でも、ただ「こわい」でおわらせないために、この資料集しりょうしゅうがあります。地形を見て、数字を読んで、まちを守る人たちのはたらきを知る。そうすると「じゃあ、わたしたちは何をそなえればいい?」がじぶんで考えられるようになります。

Onga River & Honami River Iizuka City, Fukuoka Sources verified Aug 2026
川とともに生きるまち◆数字は出典といっしょに読む◆川とともに生きるまち◆数字は出典といっしょに読む◆
01
Two rivers, one basin

2つの川が出あう、盆地ぼんちのまち

飯塚のまん中を流れる遠賀川おんががわは、全長ぜんちょう61.7km。福岡県では筑後川ちくごがわにつぐ2番目に大きな川です。そこに、三郡山のほうから流れてくる穂波川ほなみがわが、ちょうど飯塚のまちで合流します。

しかも飯塚は、まわりを900〜1200mの山にかこまれた盆地ぼんちのまち。遠賀川は流れがとてもゆるやかで、大雨がふると水がなかなか抜ぬけません。

2つの川が出あう場所で、
水はゆっくりしか流れない。
飯塚の市街地 遠賀川 (おんががわ) 穂波川 (ほなみがわ) 北へ 直方・遠賀のほうへ ここで合流 △=まわりの山(900〜1200m)
飯塚市のまわりの川と地形(略地図りゃくちず)。じっさいの形を単純にした図です。ほんものの地図は、しらべるリンク集のハザードマップで見られます。(出典:国土交通省 遠賀川河川事務所「おんががわ」地理的環境のページをもとに作成・令和8年8月確認)
とい 大雨がふったとき、「2つの川の合流点」と「流れがゆるやか」は、それぞれどうしてこまるのだろう。図を見ながら説明してみよう。
02
A history of floods

飯塚をおそった水害の歴史れきし

国土交通省の遠賀川河川事務所は、遠賀川の水害の記録をずっと残しています。飯塚(日の出橋観測所かんそくじょ)のまわりのおもな記録を、表にしました。

いつ川の水位おもな被害ひがい
昭和28年(1953)6月—亡くなった人20人・けが211人・浸水しんすいした家 38,791戸(戦後せんご最大級)
昭和55年(1980)8月—亡くなった人4人・床上ゆかうえ331戸・床下ゆかした1,916戸
平成11年(1999)6月6.72m床上232戸・床下930戸・田畑の冠水752ha
平成13年(2001)6月7.84m床上87戸・床下151戸
平成15年(2003)7月19日8.07m床上2,902戸・床下1,664戸・全壊7戸・半壊9戸・けが2人
平成21年(2009)7月8.05m床上706戸・床下1,565戸
平成22年(2010)7月8.08m床上104戸・床下358戸
平成24年(2012)7月8.17m(これまでの最高)床上121戸・床下857戸

出典:国土交通省 遠賀川河川事務所「遠賀川のあゆみ おもな洪水」(日の出橋観測点の記録・令和8年8月確認)。「床上」=家のゆかの上まで水が来たこと、「床下」=ゆかの下まで来たこと。

3000 2000 1000 0 232 87 2,902 706 104 121 1999 2001 2003 2009 2010 2012 床上浸水した家の数(戸) 年
平成のおもな水害で、床上浸水ゆかうえしんすいした家の数。上の表の数字をグラフにしたものです。(出典:国土交通省 遠賀川河川事務所・令和8年8月確認)
とい グラフの中で、とびぬけて大きい年はいつだろう。そして2003年よりあとにも水害がつづいているのは、なぜだと思う?(ヒントは04のセクション)

読む前に、ひとつだけ

この表には、亡くなった人の数ものっています。こわいなと感じたら、むりに読み進めず、先生やおうちの人と話しながら見てください。わたしたちがこの数字を学ぶのは、こわがるためではなく、同じことをくり返さないためのそなえを考えるためです。

03
July 19, 2003

平成15年7月19日 その日、何が起きたか

2003年7月19日の明け方、飯塚に猛烈もうれつな雨がふりました。遠賀川と穂波川の水位が上がり、飯塚のまちの中心部や商店街が広く水につかりました。

80mm
1時間にふった雨
バケツをひっくり返したような雨が1時間つづいた量
264mm
6時間にふった雨
飯塚観測所かんそくじょの観測史上最大
8.07m
日の出橋の水位
ふだんの川からは考えられない高さまで上がった
4,566戸
浸水した家
床上2,902戸+床下1,664戸

出典:国土交通省 遠賀川河川事務所「遠賀川のあゆみ」/飯塚・穂波地区の出水記録(令和8年8月確認)

とい 「6時間で264mm」は、教室のものさし(30cm)とくらべるとどれくらい? 1時間あたりに直すと約何mmになるか、計算してみよう。
04
Protecting the town

まちを守る工事 川の「うつわ」を広げる

2003年の水害のあと、国は「飯塚・穂波地区床上浸水対策特別緊急事業ゆかうえしんすいたいさくとくべつきんきゅうじぎょう」という大きな工事を始めました(平成16年〜平成21年)。ねらいはひとつ。7.19とおなじ規模の洪水が来ても、水が川からあふれずに流れきるように、川の「うつわ」を広げることです。

工事の前 まちに水があふれる 工事の後 川の中におさまる 点線から下=川底をほって広げた分 →
川の「うつわ」を広げるとは。同じ量の水(青)でも、川の断面が大きければあふれません。じっさいの工事のようすは、遠賀川河川事務所のページに写真があります。(出典:国土交通省 遠賀川河川事務所「飯塚穂波地区床上浸水対策」をもとに作成・令和8年8月確認)

でも、工事だけでは終わらない

02の表をもう一度見てみよう。工事のあとの平成21年・22年・24年にも、浸水は起きています。川の工事で被害はへらせても、雨はいつでも工事の想定をこえてくるかもしれない。だから「まちのそなえ(工事)」と「一人ひとりのそなえ(次のセクション)」の両方が必要なんです。

05
Preparedness today

いまの飯塚の、そなえのしくみ

いまの飯塚市には、水害にそなえるしくみがいくつもあります。ぜんぶ、だれでも見られます。

Hazard Map

ハザードマップ

大雨のとき、どこがどれくらい水につかるおそれがあるかを色でしめした地図。飯塚市のサイトで全体図と地区ごとの詳しい地図(18枚)が見られる。

River Cameras

川のライブカメラ

遠賀川や穂波川のいまのようすを、市の防災サイトからいつでも見られる。大雨の日に川を見に行くのはぜったいにだめ。カメラで見る。

My Timeline

マイ・タイムライン

「大雨のとき、わが家はいつ・だれと・どこへにげるか」を前もって決めておく計画表。市のサイトに作り方がある。

Evacuation Sites

避難所ひなんじょ

にげる場所は市が決めて公開している。福岡県の防災ホームページで、自分の校区の避難所をさがせる。

遠賀川飯塚地区 防災ステーション 飯塚市芳雄町にある、見学できる防災の拠点きょてん(9時〜17時・無料)。水害とたたかってきた遠賀川の歴史も学べます。校外学習やおうちの人との週末しらべにどうぞ。
くわしく見る
とい ハザードマップで、自分の家と学校のまわりを見てみよう。にげるならどこへ、どの道で行く? おうちの人といっしょに、マイ・タイムラインに書いてみよう。