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教材研究ノート | 第5回

なぜ「一つの花」なんだろう?

小4国語「一つの花」(今西祐行)の授業を、全国の先行事例から考えます。これは"正解の指導案"ではありません。「こう考えたら面白いかも」を集めた、授業づくりのヒント集です。

小4・国語(物語文)|先行事例つき|指導案・ワークシートつき|© School Stock
一輪のコスモスと、いっぱいのコスモスを対比したイラスト
戦争のころの「一輪」と、十年後の「いっぱい」。場面を対比させると、変わったもの・変わらないものが見えてきます。そこから、題名の意味に迫ります。(図は自作/作品本文は含みません)
このノートは、先生方の実践の上に立っています。
ここに並べた導入や手立ては、全国の先生・研究会・教育委員会が積み上げてこられた実践から学んだものです。参考にした実践には、本文中と末尾に必ず出典と元サイトへのリンクを付けました。指導案の文章はそのまま写していません。作品「一つの花」の本文は転載していません(お手元の教科書でお読みください)。敬意を込めて、リンクから原典にあたっていただけたら嬉しいです。

4年生の「一つの花」。戦争のころと、その十年後を描いた物語です。この作品のいちばんの入口は、題名です。「なぜ"一つの花"なんだろう?」——読み終えた子が、もう一度この問いに戻ってくると、物語がぐっと深くなります。そしてその答えは、戦中と戦後の「場面の対比」の中に、そっと置かれています。

この記事は、全国の指導案や実践をもとに、「面白い導入」と「対比を手がかりに主題へ迫る手立て」を並べたものです。どれが正解、という話ではありません。気になったものをつまんでもらえたらと思います。

01この単元の勘どころ

「対比」を手がかりに、「題名の意味」へ

この物語は、行あきで大きく2つ(戦中と戦後)に分かれ、いたるところが対比で書かれています。一輪のコスモス ↔ いっぱいのコスモス、お父さんがいる ↔ いない、幼いゆみ子 ↔ 大きくなったゆみ子、静かな見送り ↔ にぎやかな駅。この「変わったもの」と「変わらないもの」を子どもが見つけていくと、最後に題名の意味と、父がゆみ子に一輪の花を渡した思いに、自然にたどり着きます。

多くの指導案が、この単元のゴールを「なぜこの題名なのかを考えること」に置いています。そして「食べ物」「音」「花」「父の存在」などの観点で戦中と戦後を比べると、対比がはっきりします。題名は、最初に問い、最後に答える。物語を1本の問いで貫けるのが、この教材の強みです。 出典:みんなの教育技術「小4国語『一つの花』全時間の板書&指導アイデア」/各校 学習指導案

02面白い導入くらべ

題名で問う・対比で驚く・数えて気づく

導入のねらいは、物語を貫く問いを子どもの中に立てることです。先行事例を型別に並べました。◎は個人的に「これは効く」と感じたものです。

タイプ1|題名で問いを立てる

おすすめ導入ネタ面白さのツボ出典
◎「一つの花」って、何の花?読む前に題名だけ見せて予想させる。読後に「なぜ"一つ"なのか」に戻る。問いを最初に立て、最後に回収するので、単元が一本につながる。EDUPEDIAほか
○「一つだけ」を数える戦中の場面に何度も出てくる「一つだけ」。戦後の場面では…? 回数の変化に自分で気づく。各実践

タイプ2|対比で「あれ?」を作る

おすすめ導入ネタ面白さのツボ出典
◎1場面と3場面を並べる戦中と戦後の場面を並べて「何が変わった? 変わらないものは?」。一輪 ↔ いっぱいの花の対比に子どもが気づく。深い読みの土台。各校 指導案/授業研究ノート
○見送りの場面をくらべる他の家族のにぎやかな見送りと、ゆみ子の家族の静かな見送り。同じ駅なのにこの差、なぜ?各実践

タイプ3|作者・時代から入る

03対比を「見える化」する手立て

観点で比べる・回数を数える・会話文から気持ち
「授業研究ノート」などの教材研究は、終わりの場面と題名から作品の主題を読みひらくことを重視しています。「花」は、戦争と対極にあるもの——父が娘に手渡した、ささやかで、けれど確かな願い。ここを子どもの言葉で語らせるのが、この単元の山場です。 出典:国語の授業研究ノート「一つの花の教材研究(主題を読みひらく)」ほか

04深く読む仕掛け

変わったもの・変わらないもの
変わったのは、花の数。変わらないのは、その花にこめた思い。だから、「一つ」の花。 子どもの読みが向かう先の一例

05広げる・つなぐ

まとめ・読書の引き出し

06「こう考えたら面白いかも」1時間プラン例

正解ではありません。先行事例から組んでみた、たたき台です

戦中と戦後の場面を比べ、題名「一つの花」の意味と、父の思いに迫る1時間に組んでみました。これが正解ではありません。

本時(対比から題名の意味へ・45分)— たたき台
思い出す
5分
単元最初の問い「なぜ"一つの花"なんだろう?」を黒板に。今日はこれに迫る、と見通し。
くらべる
15分
戦中と戦後を、観点(食べ物・音・花・お父さん)で対比表に整理。一輪 ↔ いっぱいを確かめる。
考える
13分
「変わったもの/変わらないもの」を分ける→父が渡した一輪の花の思いを、根拠をもって話し合う。
書く
9分
「なぜ"一つの花"なのか」を、対比表を根拠に自分の言葉で書く。
交流
3分
数人の考えを聞き合い、余韻を残して終える。
刷って使える 本時 指導案(1時間) 対比から題名の意味に迫る本時案。ねらい・展開・板書・評価まで。自作・A4印刷用。作品本文は載せていません。 刷って使える ワークシート(対比表) 戦中と戦後を観点で比べ、題名の意味と「花」の思いを書く。教科書を見て記入。自作・A4印刷用。
出典・参考にした先行事例

敬意を込めて。指導案・作品の本文は転載せず、要約と自分の言葉でまとめました。くわしくは各リンクから原典にあたってください。
(各サイトの内容・リンクは執筆時点のものです。リンク切れの際はご容赦ください。)

学習指導案(教育委員会・学校)

  1. 小田原市立三の丸小学校 第4学年 国語科学習指導案「比べて読もう 一つの花」|資料 ↗
  2. 小平市立小平第二小学校 第4学年 国語科学習指導案「一つの花」|PDF ↗
  3. 川崎市立田島小学校 第4学年 国語科学習指導案「一つの花」|PDF ↗
  4. 世田谷区立烏山小学校 第4学年 国語科学習指導案「一つの花」|資料 ↗

授業アイデア・教材研究

  1. みんなの教育技術「小4国語『一つの花』全時間の板書&指導アイデア」|記事 ↗/「板書の技術」|記事2 ↗
  2. EDUPEDIA「一つの花 ―題名とコスモスに込められた意味」|ページ ↗
  3. 国語の授業研究ノート「一つの花の教材研究(構造よみ/主題を読みひらく)」|構造 ↗/主題 ↗
  4. 子どもと創る「国語の授業」(東洋館)「一つの花」関連記事|ページ ↗

この記事は、全国の指導案・授業アイデアをもとに、School Stock が要約・再構成しました。図はすべて自作です。作品「一つの花」(今西祐行)の本文・図版は転載していません。授業では、お手元の教科書の本文をお使いください。児童・学校の内部情報は含んでいません。

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