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School Stock / 教材研究ノート / 倍の見方・割合
教材研究ノート | 第7回

どっちが「よく」のびた?

小4算数「倍の見方(かんたんな割合)」の授業を、全国の先行事例から考えます。これは"正解の指導案"ではありません。「こう考えたら面白いかも」を集めた、授業づくりのヒント集です。

小4・算数|先行事例つき|指導案・ワークシートつき|© School Stock
長さのちがう2本のゴムをくらべて考える子どものイラスト
もとの長さがちがう2本のゴム。差でくらべるとBがよくのびた(40cm)。でも倍でくらべるとAがよくのびた(3倍)。この食いちがいが、「倍でくらべる」入口になります。
このノートは、先生方の実践の上に立っています。
ここに並べた導入や手立ては、全国の先生・研究会・教育委員会・教科書会社が積み上げてこられた実践から学んだものです。参考にした実践には、本文中と末尾に必ず出典と元サイトへのリンクを付けました。指導案の文章はそのまま写していません(要約と、私自身の言葉で書いています)。児童・学校の内部情報は含みません。敬意を込めて、リンクから原典にあたっていただけたら嬉しいです。

4年生の「倍の見方」。これは、5年生で本格的に学ぶ割合の土台です。ここでつまずくと、割合がまるごと苦手になります。いちばんの山場は、「差でくらべる」から「倍でくらべる」への乗りかえ。2つの大きさをくらべるとき、これまでは引き算(差)でよかった。でも、もとの大きさがちがうと、差では公平に比べられない。この"納得"を、子ども自身にさせられるかどうかが勝負です。

この記事は、全国の指導案や実践、教科書会社の授業例をもとに、「面白い導入」と「倍でくらべる必要感の作り方」を並べたものです。どれが正解、という話ではありません。気になったものをつまんでもらえたらと思います。

01この単元の勘どころ

「もとにする量」を決める。差から倍へ

倍の見方とは、もとにする量を1とみたとき、くらべる量がいくつにあたるかを考えることです。ポイントは2つ。1つは「差」と「倍」の使い分け。もとが同じなら差でよいが、もとがちがうときは倍で比べる。もう1つが、「何をもとにするか」の判断。文章から「もとにする量」を読み取れないと、式が立ちません。ここが5年の割合まで響く急所です。

東京書籍の授業実践例は、平ゴムの伸びをくらべる活動で、「どんな長さでもゴムの伸び方は変わらないので、長さ(差)ではなく何倍にのびるかで比べる」ことをポイントにしています。差では公平に比べられない場面を用意して、倍の必要感を引き出す——この設計が効きます。 出典:東京書籍 東書Eネット「(授業実践例4年)倍の見方」ほか

02面白い導入くらべ

差と倍をぶつける・テープ図で必要感・身近な倍

導入のねらいは、「差ではうまく比べられない」場面をつくり、倍で比べたくさせることです。先行事例を型別に並べました。◎は個人的に「これは効く」と感じたものです。

タイプ1|差と倍をぶつける

おすすめ導入ネタ面白さのツボ出典
◎ゴムの伸びくらべもとの長さがちがう2本のゴムを伸ばす。差でくらべると片方、倍でくらべるともう片方が「よくのびた」になる。結論が食いちがうので、「どっち? なぜ?」が生まれる。もとがちがうから倍で、に着地する。東書Eネット 授業実践例
○身長ののび くらべ「1年で10cmのびた弟」と「1年で10cmのびたお兄さん」。差は同じ。でも、もとの身長がちがう。どっちが「よくのびた」?各実践

タイプ2|テープ図で必要感を作る

おすすめ導入ネタ面白さのツボ出典
◎テープ図だけ見せる数を出さず、長さのちがうテープ図だけ提示。「どっちがどれだけ大きい?」→数がほしくなる→「もとの何倍か」で見たくなる。倍の見方が子どもから出る。みんなの教育技術
みんなの教育技術の指導アイデアは、最初にテープ図だけを提示して長さのちがいを見せ、「数で表したい」「もとの何倍か」という見方を子どもから引き出す流れを示しています。いきなり式や公式に行かず、倍で見たくなる状況を先に作るのがコツです。 出典:みんなの教育技術「小4算数『倍の見方・割合』指導アイデア《差による比較と割合を使った比較》」

タイプ3|身近な「倍」から入る

03「もとにする量」をつかむ手立て

テープ図・数直線で「1とみる」

04深く考える仕掛け

食いちがいから、判断へ
もとの大きさがちがうものは、差では公平に比べられない。だから、何倍かで見る。 この単元の中心の考え

05生活とつなぐネタ

まとめ・活用の引き出し

06「こう考えたら面白いかも」1時間プラン例

正解ではありません。先行事例から組んでみた、たたき台です

もとの長さがちがう2本のゴムで、差と倍がぶつかる1時間に組んでみました。これが正解ではありません。(数の例:ゴムA もと10cm→30cm、ゴムB もと40cm→80cm。差はB=40cmでBが大きい。倍はA=3倍でAが大きい。)

本時(差から倍へ・45分)— たたき台
つかむ
8分
もとの長さがちがう2本のゴムを伸ばす。「よくのびたのは、どっち?」
くらべる
12分
差でくらべる → B(40cm)。「差だとBだけど、なんかもやもや…」を引き出す。
気づく
13分
もとの何倍にのびた? A=30÷10=3倍、B=80÷40=2倍。倍だとA! 差と倍で結論が変わる。
まとめる
7分
もとがちがうときは、倍でくらべるのが公平。テープ図で「1とみたとき」を確かめる。
使う
5分
身近な「何倍」(身長ののび・ねだん)で、もとにする量を決めて倍を求める。
刷って使える 本時 指導案(1時間) ゴムの伸びで差と倍をぶつける本時案。ねらい・展開・板書・評価まで。自作・A4印刷用。 刷って使える ワークシート 2本のゴムを差でくらべる/倍でくらべる→どっちが公平?→テープ図で1とみる。自作・A4印刷用。
出典・参考にした先行事例

敬意を込めて。指導案・資料の本文は転載せず、要約と自分の言葉でまとめました。くわしくは各リンクから原典にあたってください。
(各サイトの内容・リンクは執筆時点のものです。リンク切れの際はご容赦ください。)

指導案・授業実践例(教科書会社・学校)

  1. 東京書籍 東書Eネット「(授業実践例4年)倍の見方」|ページ ↗/「1とみたとき○にあたる〜倍の見方」|ページ ↗
  2. 東京書籍 東書Eネット 教科書単元リンク集「倍の見方」|ページ ↗
  3. 四万十市立中村小学校 第4学年 算数科学習指導案「倍の見方」|PDF ↗

授業アイデア

  1. みんなの教育技術「小4算数『倍の見方・割合』指導アイデア《差による比較と割合を使った比較》」|記事 ↗
  2. みんなの教育技術「小4算数『かんたんな割合』指導アイデア」|記事 ↗
  3. みんなの教育技術「小4算数『倍の見方』指導アイデア《基準量を求める計算》」|記事 ↗/「簡単な場合についての割合」|記事 ↗
  4. 実践ブログ「4年算数『倍の見方』指導実践(5年の割合につなげる)」|ページ ↗

この記事は、教科書会社・学校の公開資料と全国の授業アイデアをもとに、School Stock が要約・再構成しました。図はすべて自作です。教科書の本文・図版、児童の情報は含んでいません。

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