Wheelchair & Blindfold — Field Experience 03

車いすとアイマスク

9月30日のふくし体験

のる。おす。目をとじて歩く。この日は、体でわかることがたくさんある。だからこそ、先に知っておくべきことがある。

ワークシート(車いす・アイマスク) 体験の前に①〜③、体験のあとに④からを書きます。A4・両面2ページ。
PDFをひらく
01
Before you start

はじめるまえに、いちばん大事なこと

「たいへんだった」で終わらせない

車いすの人は、自分の体にあった車いすをつかい、なれた道をふつうに進んでいく。きみがきょう 1時間のって「むずかしい」と感じるのは、なれていないからでもある。

じゃあ、なにがほんとうのこまりごとか。まちのほうにりゆうがあるこまりごとだ。3センチのだんさ。きゅうなスロープ。ものがおいてあるろうか。エレベーターのないかいだん。それはなれではどうにもならない。

だからきょうさがすのは、まちのほうの問題です。

3つのやくそく

  1. ふざけない。車いすはあそび道具ではなく、その人の足そのもの。スピードを出す、わざとゆらす、これはしない。
  2. だまっておさない。おす前にかならず「うごきますね」と声をかける。ほんとうの場面でも、いきなりおされるのはとてもこわい。
  3. 気づいたことをその場でメモする。教室にもどるとわすれる。手がふさがっていたら、口に出して仲間におぼえてもらう。
02
Parts of a wheelchair

車いすのぶひんの名前

名前を知っていると、体験たいけんの日の説明せつめいがすっと入る。とくにブレーキとティッピングレバーはかならずおぼえよう。

車いすを横から見た図。グリップ、せもたれ、アームサポート、ざめん、ブレーキ、くどうりん(後輪)、ハンドリム、キャスター(前輪)、フットサポート、ティッピングレバーの位置に名前がついている。
ティッピングレバーは、おす人が足をかけてふみこむぼう。ここをふむと前輪ぜんりん(キャスター)がうく。だんさをこえるときにつかう。ハンドリムは、のっている人が自分でまわすわっか。タイヤではなく、このわっかをまわします。
じそう用のっている人が自分でハンドリムをまわして進む。後輪が大きい
かいじょ用後ろの人がおす。後輪が小さめで、車につみやすい
電動モーターで走る。レバーでそうさする。坂道でも自分で行ける
03
How to assist

おすときのきほん

いつもやること

  1. 止まったらすぐブレーキ。りょうがわとも。少しの坂でも車いすはかってにうごく。
  2. うごく前に声をかける。「うごきますね」「まがりますね」「だんさがあります」。見えているきみと、前を向いているその人では、分かることがちがう。
  3. のる・おりるときはフットサポートを上げる。足をのせたまま立とうとすると、前にたおれる。
  4. スピードを出さない。人が歩くくらいでじゅうぶん。

だんさを上がるとき

1だんさにまっすぐ正面から向く。ななめはあぶない
2「だんさを上がります」と声をかける
3グリップを下におしながら、ティッピングレバーを足でふむ。キャスター(前輪)が上がる
4そのまま前に進み、キャスターをだんの上にそっとのせる
5さいごに後輪をおし上げる。もち上げるのではなく、ころがして上げる

だんさを下りるとき

かならずうしろ向き。前向きで下りると、のっている人が前に投げ出される。うしろ向きで後輪からそっと下ろし、それからティッピングレバーをふんでキャスターをうかせたまま下がり、しずかに下ろす。

下り坂もうしろ向き。これも同じりゆう。

やってみると気づくはず。2〜3センチのだんさでも、キャスターはひっかかる。そしてそのだんさは、まちのあちこちにある。

04
Guiding

アイマスクと「手引き」

アイマスクをつけると、あんないするがわの言葉が、どれだけたりないかが分かる。2人1組で、かならず両ほうをやってみよう。

手引きのしかた

  1. まず声をかける。「お手つだいしましょうか」。いきなり体や白杖をさわらない。
  2. 白杖をもっていないがわに立つ。白杖はその人の大事な道具。ひっぱらない、おさない。
  3. 相手にひじの少し上をにぎってもらう。こちらからうでをつかむのは、なし。
  4. 半歩前を歩く。ひじのうごきで、まがる・止まる・上がるがつたわる。
  5. ゆっくりすぎない。のろのろ歩くと、かえってふあんになる。ふつうのリズムで。
  6. かいだんは先に言う。「上りのかいだんです」「あと 1だんで終わりです」。最後の 1だんを言うのがとくに大事。
  7. せまいところは 1れつに。自分のうでを背中がわにまわすと、相手がうしろに回れる。
  8. 「あっち」「そこ」はつかわない。「右に 3歩」「1メートル先につくえ」。具体的に言う。
  9. はなれるときは必ず言う。だまっていなくなると、その人は何もないところにとり残される。かべや手すりにさわれるところまで案内する。

やってみるとわかること

「そこ、気をつけて」と言っても、まったくつたわらない。じぶんが言っていたことばは、目が見えている人どうしのことばだった。それが、やってみると分かる。

05
The town's side

まちのがわのくふう

スロープだんさをなくすさかみち。きつすぎると車いすでは上がれないので、かたむきにきまりがある
多目的トイレ広くて、手すりがあって、車いすのまま入れる。ベビーベッドがあるところも多い
エレベーターの鏡おくのかべの鏡は、車いすで後ろ向きに出るとき、後ろが見えるようについている
低いボタン・カウンターすわったままでとどく高さ。エレベーター、けんばいき、まどぐち
車いす使用者用駐車場広くて入口に近い。ドアを大きく開けないとおりられないから広い。ここに止めない
ヘルプマーク赤に白のハートと十字のマーク。外から分かりにくいけれど手助けがいる人がつけている

スロープ1本つけるのにも、お金と工事がいる。当事者の人たちが長いあいだ声をあげて、法律ほうりつやきまりができて、やっとかたちになったものが多い。いまきみたちがかんがえている「こうしたらいいのに」も、そのつづきにある。

だれかが気づいて、
だれかが かたちにした。
06
Questions for the day

体験たいけんの日に聞いてみたいこと

しつもんのたね

  1. まちでいちばんこまるのは、どこですか。
  2. 「てつだいましょうか」と声をかけられるのは、うれしいですか。それともこまりますか。
  3. ことわりたいときは、どう言いますか。
  4. お店や電車で、うれしかったことはありますか。
  5. 地震じしんのとき、ひなん所でこまるのはどんなことですか。
  6. 子どものわたしたちにできることは、なんだと思いますか。

そして、さいごに

3回の体験たいけんがこれでおわる。点字、手話、車いすとアイマスク。3つとも、おなじ問いにつながっている。

「安心・安全なまちって、なんだろう?」 7月にきみが書いたこたえと、いまのこたえは、おなじかな。